2008年9月27日・28日「人智千響」
「人智千響」を土日の2日間拝見致しました。
出演者たちが慣れてきたということもあるのでしょうが、2日目は、ひしひしと伝わってくるものがあって、一瞬も目が離せないほど見入ってしまいました。舞台へ吸い込まれていくようでした。
特に印象的だったのが、英哲さんが北條太鼓の会の子供たちといっしょに演奏した「太鼓打つ子ら」です。
国立劇場という大舞台で英哲さんといっしょに太鼓を打ったということは、あの子たちにとって一生の財産になると思います。
今回の公演で英哲さんが一番やりたかったのは、この子供たちと共演した「太鼓打つ子ら」ではないかと思ってしまいました。私の勝手な思い込みかもしれませんが・・・…。
熊野鬼城太鼓、OTAIKO座明神の演奏は初めて観ました。だんじり唄は存在さえ知りませんでした。どれもとてもハイレベルですばらしかったです。
三部の尾上青楓さんと田代さんの踊りもよかったし、「七星」もすごい迫力でした。
感動しすぎて今だにぼーとしています。
とにかく、2日間観に行ってよかったです。
「太鼓打つ子ら」の英哲さんと子供たちがいっしょの場面は、私の心に刻まれてこれからずっと消えないと思います。思い出す度に温かい気持ちに包まれます。
こんなに感動を与えて下さって、深く感謝しています。
国立劇場での三部作は、偉大な名作だと思います。今回で終了してしまうのが残念です。
次回の公演を楽しみにしています。
(Y.K.)
国立劇場TAIKO三部作完結、おめでとうございます。
毎回英哲さんのステージからは大きな感銘を受けますが、今回もまた、自身の芸能観に更なる彩りが加わる、ステキな舞台に立ち会わせていただきました。
遊び心あり、愛敬あり、舞と太鼓の相性の良さに心を奪われ、肉体が楽器として発揮される声・唄の豊かさや個性には心が和みました。
そして、三部作通して味わった、リズムの真髄。“天地人”という万物に対する純粋な想いをこれ程までに感じられる舞台、今までに何度体感できたでしょう。
芸能や祭礼を支える根幹に、神仏や自然と向き合う人々を、今まで見出してきました。
でもそれだけでない。この舞台で改めて感じたのは、その人々の祈りこそが芸能を深め、神仏すら牽引してきたのだという発見、そして生きる人々の美しさでした。地に根ざし、天を仰ぐ人々の、清々しい思いの丈が育む表現の極み。まさに、英知の結晶の輝きですね。
風土も歴史も、生身の人間が培ってきたもの。幼子から老齢な方までが携わり、発散し、伝えるこうした表現を生み出す力があるうちは、人の未来はアカルイゾ!と妙な自信も感じました。
こんな格別な時間が来年にはないのかと思うと淋しい限りですが、これからの太鼓界の発展に益々期待が高まる思いです。
(美空遙)