風雲旅日記
はじめまして
はじめまして、ジョー・スモールと申します。アメリカのニューヨーク州、バッファロー市から参りました。29歳です。師匠の弟子になることを許されて、今年1月から日本に来て、師匠と風雲の会のメンバーから太鼓や舞台作り、また日本の芸能や文化をたくさん学び始めました。そして、たまに事務所で英語の翻訳をやっています。
大学の1年生の時にフィラデルフィアで初めて「日本の太鼓」というものを経験しました。日本の文化について何も知らなかったのですが、叩けば叩くほど日本の文化への興味が強くなりました。それがきっかけでアメリカの色々な所で和太鼓を学んだり、2003年には玉川大学に留学したりしました。
アメリカの大学を卒業してからの1年間は吹田市の国立民族学博物館で和太鼓やお祭りを研究しました。その間に初めて師匠のライブ公演(「Hi Ten Yu」)を大阪で聴いて、そして東京のかつしかシンフォニーヒルズで師匠と風雲の会が教えていた4日間のワークショップに参加させていただきました。非常に素晴らしい経験ができたのでどうしても日本で太鼓を学び続けようとの思いは強くなりました。
21世紀の創作太鼓は日本だけの芸術ではなく、何でも表現が出来るグローバルな芸術になりつつあるのではないかと思います。しかし、日本の太鼓は常に日本の文化に深く繋がっている事が必ず必要だと思います。その中で特に師匠・林英哲の太鼓、舞台芸術に興味を持ちました。
その後、一昨年からロサンジェルスのUCLA大学院の世界芸術と文化の学部でダンスの修士を目指しながら、太鼓と近代的なダンスの振り付けはどういう関係があるのかを自分で研究したり、実験的な演奏をしたりしていました。しかし、太鼓アーティストとして、自分の知識、感覚、感受性は深くはないと思っていました。やはりさらに上達しないといけないと気がつきました。それで日本に再び来て、師匠に弟子入りして、自分自身をすべて捧げて一から日本の太鼓の勉強をしなければと思いました。
僕はもちろん日本人ではないし、日本人になれないのですが、師匠から直接風雲の会と一緒に学んで、自分でもソロで演奏ができるよう頑張りたいと思います。初めて師匠の演奏を聴いて、観て以降、自分の中で師匠の太鼓が常に深く精神的に響いています。現在、師匠のそばでたくさん勉強ができる事はもの凄く貴重で、数え切れない程感謝しています。
今後もし風雲の会のメンバーの一員として、舞台に立てる日が来たときには応援をよろしくお願い申し上げます。
ジョー・スモール(Joseph David Small)